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PC環境整備
フリーソフトでシステム環境バックアップ〜復元

自作PC一号機を組み立て後,そのPC環境整備の一環として,”データバックアップ・リカバリ運用”を検討しました.

自作PC一号機にはRAID1(ミラーリング)を組み込んでおり,HDDのハード的な障害に対しては保護されていますが,ソフト的な障害(OS/データ破損・消失)には有効ではありません.
やはり,ある時点でのシステム環境やデータのバックアップを取得する,という対応が必要です.

データバックアップの取得・復元の方法としては
  1. Windows標準のバックアップユーティリティ利用
  2. フォルダ単位でのデータ同期
  3. パーティション丸ごとのイメージバックアップ
が主なところです.

上記3を行うには,「Acronis True Image」や「Save & Restore」等の市販ソフトを導入するのが一般的ですが,”フリーソフト万歳!”な私としては,なんとかこれについてもフリーソフトで対応したいと方法を模索しました.

ここではフリーソフト使用時に最も導入が面倒と思われる「システム環境のパーティションを丸ごとバックアップ〜復元」について,その方法のひとつを紹介します.

使用するバックアップソフトは「DriveImageXML」,それを動作させるCDブート環境として「VistaPE」を用います.

(注意)
今回紹介する手順は基本的にXPユーザー向けのものです.
また,この手順はあくまで参考と捉えて自己責任にて実施下さい.
市販ソフトを使用する場合に比べて手順的にかなり面倒ですので,市販ソフトを導入なさった方が良いと思います.



「DriveImageXML」について

「DriveImageXML」はパーティションを丸ごとバックアップ・復元するフリーソフトです.パーティションイメージでバックアップできるフリーソフトというのは希少ですね.製作・配布者に感謝です.

Microsoftの「Volume Shadow Copy Services(VSS)」機能を利用しているので,「動作中のシステム環境(=OSの入ったパーティション)」についてもWindows上からバックアップイメージを作成することができます.

但し,このDriveImageXMLには,CD起動する機能がありませんので,ソフト単独では「システム環境」について,バックアップは取得できるものの,復元することができません.(市販ソフトだとCD起動の機能が付いているのが標準的ですが)

動作環境は,Windows XP Home, XP Professional, Windows Server 2003のみです.(私の環境XP Media Center EditionもOKでした)

ダウンロードはこちらのページの中ほどから.ダウンロード

※当ページでは,バックアップの取得方法等の基本的な操作手順については紹介しておりませんが,「Backupを選択」→「対象パーティションを選択」→「保存先を選択」→「バックアップ開始」というごく当たり前の手順ですので特に問題は無いと思います.



「VistaPE」について

一方,「VistaPE」はCD起動可能なOSをカスタマイズ生成するツールです.
また,生成されたOSそのものを「VistaPE」と呼んだりもします.

HDDにOSがインストールされていなくてもVIstaPEのCDからWindowsを立ち上げて作業することができます.

もちろんCDに収まる程度のサイズのOSですので,常時使用できるほどの機能・操作快適性は持ち合わせていません.

メインのOSが起動できないトラブル時のデータ復旧等に活用できるものです.
同種のソフトとしては「Bart's PE Builder」が有名ですね.

※少し技術的な解説
  • Bart's PE Builderは「WindowsXPベースの"WindowsPE"」を応用したもの
  • VistaPE は「WindowsVistaベースの"Windows PE 2.0"」を応用したもの

VistaPEは必要なコンポーネントを組み込んで生成する仕組みとなっています.



以下,「DriveImageXMLを組み込んで生成したVistaPEを使用して,システム環境のバックアップデータからデータを復元する手順」(長っ)を紹介していきます.


VistaPE使用準備−Windows 自動インストールキット(AIK)のインストール

VistaPEを使用する準備として,Microsoft提供の「Windows 自動インストールキット(AIK)」をインストールしておきます.

ダウンロードはこちらから

ダウンロードしたファイルはISOイメージファイルです.
CD-Rに書き込んで(フリーソフトImgBurnがお勧め)インストールするか,DAEMON Toolsなどを使って仮想CD/DVDドライブにマウントしてインストールするとよいです.

VistaPE(DriveImageXML組み込み済み)の作成

今回のメイン作業となります.
※DriveImageXMLについては事前にインストールしておいて下さい.

※DriveImageXMLを組み込まなくともVistaPEはデータ救出等に活用できます.
DriveImageXMLを組み込まない場合は,以下の手順の3,4,5,7,11はスキップして下さい.

  1. まず,VistaPEをこちらからダウンロードします.
    一番上の「Full version:download」をクリックします.
    ※画像をクリックすると大きな画像を見ることが出来ます.


  2. ダウンロードしたファイルを解凍します.
    ※RAR形式のファイルなのでLhazなどのRARに対応したアーカイバで解凍して下さい.
    解凍すると以下のファイルが入っています.

  3. さきほどのVistaPEのサイトから,DriveImageXML組み込みの為のスクリプト(DriveImageXML.script)をダウンロードします.
    スクリプトのページを開いて・・・

    DriveImageXML用のスクリプトへのリンクを右クリックして「対象をファイルに保存」を選択してデスクトップなどに保存します.

  4. ダウンロードしたスクリプトをVistaPEの「Projects\VistaPE\App\File Tools」フォルダ内に格納します.
    ※上記に限らずVistaPEフォルダ下であれば任意のフォルダに格納してかまいません.

  5. 「C:\WINDOWS\system32」内にある「apphelp.dll」を「Projects\VistaPE\Build\system32」フォルダ内にコピーして格納します.
    ※誤って移動してしまわないようにして下さい.
    ※このファイルはヘルプ機能用のものですが,これが無いとVistaPE上でDriveImageXMLを起動した際にエラーが発生し起動しません.

  6. 最上位フォルダ(vistape007-base)に戻り,「WinBuilder.exe」をダブルクリックし起動します.

  7. 左側に表示されているフォルダツリーをクリックして「VistaPE→App→File tools→DriveImage XML」を選択します.
    右側の「Source folder」にDriveImageXMLがインストールされているフォルダを指定します.(デフォルトのままであれば特に変更しなくてよいかも)
    ※ここで指定したフォルダに格納されているファイル類をVistaPEへコピー取り込みします.

  8. 次に「Paths」のタブを開き,「Source directory」を指定します.
    ここには「Windows自動インストールキット(AIK)」をインストールしたフォルダ(C:\Program Files\Windows AIK)を指定します.

  9. 右上の「Play」ボタンを押します.
    するとOSのISOイメージの生成が始まります.
    必要なファイルがコピーされて・・・

    ISOイメージへの変換が行われて・・・

    処理が終了し,ログが表示されます.
    ※ログは実行の経過/エラーを確認するのに使用しますが,通常はみなくてかまいません.

  10. フォルダ内に新たにいくつかのフォルダが生成されています.

    「ISO」のフォルダを開くとそこに「VistaPE.iso」というファイルができていることが確認できます.これが目的のOSのisoファイルです.

  11. isoファイルをCDに焼く前に正しく生成されているか確認してみます.
    isoファイルをDAEMON Toolsなどを使って仮想CD/DVDドライブにマウントして内容を参照します.
    「PROGRAMS」のフォルダ内にDriveImageXMLの構成ファイルが格納されています.

    また,「WINDOWS\SYSTEM32」のフォルダ内に「APPHELP.DLL」も格納されています.

  12. isoイメージをCD-Rに焼きます.
    ここではフリーソフトImgBurnを使う手順を示しておきます.
    ImgBurnを起動して・・・

    「Source」に対象のisoファイルを指定し,未使用のCD-Rをドライブに挿入して準備OK.

    「HDD>CD」の画像をクリックすると処理が始まります.

    以下の終了メッセージが出れば正常に書き込み終了です.
    これで,CDブータブルなOSが手に入りました.




VistaPEを起動してDriveImageXMLで復元作業

  1. VistaPEのCDを光学ドライブに入れてPCを再起動します.
    ※光学ドライブのブート優先順位がHDDより上になっている必要があります.
    しばらくすると以下の起動画面が表示されます.CD起動なので時間がかかりますが辛抱して下さい.

  2. 進むと以下の起動画面が表示されます.時間がかかりますがやはり辛抱です.(画面にも"be patient"の文字が表示されてますね)

  3. しばらくすると「Shell Swapper」が立ち上がります.
    ここで起動するShellおよび画面解像度の選択を行います.
    ShellはWindows Explorerに似た操作性の「BS Explorer」が良いでしょう.画面解像度については好みを選択して「Apply」で適用して下さい.
    選択が終わったら右下の「Go」をクリックします.

  4. 「BS Explorer」が起動しました.Windows Vista風味のデスクトップです.

  5. DriveImage XMLを起動する前に,HDDの認識状況を確認しましょう.
    [スタートメニュー]→[Programs]→[A43 File Management]をクリックします.
    使い慣れたWindows Explorerと似たウィンドウが表示されます.
    ここで,「ドライブレターの割り当て」や「バックアップファイルの所在」,「復元先ドライブ」を確認しておきます.
    ※普段のWindowsとはドライブレターの割り当てが変わっていることがありますのでご注意を.

  6. 続いてDriveImage XMLを起動します.
    [スタートメニュー]→[Programs]→[Disk Tools]→[DriveImage XML]をクリックします.

  7. DriveImage XMLが起動しました.
    ※起動しない場合は,VistaPEのセットアップがうまくいっていません.

  8. 復元操作を行いますので,左下の「Restore」をクリックします.
    右側に認識されているパーティションが表示されますので,状態を確認します.
    確認後,「Next」をクリックします.


  9. 復元ウィザードが表示されました.
    復元元となるバックアップファイル(拡張子.xml)を選択します.
    選択後,「Next」をクリックします.

  10. 続いて,復元先となるパーティションを選択します.
    ※画像では,テストの為Fドライブを復元先として選択しています.通常はCドライブとなるでしょう.
    選択後,「Next」をクリックします.

  11. 復元元,復元先の確認画面が表示されます.
    確認後,「Next」をクリックします.

  12. 復元作業の準備が始まりました.
    ※「Lock error」が表示されましたが,「Ignore」で無視して進めて問題ありませんでした.

  13. 準備が整うと,「復元先に存在するデータが復元によって上書きされ失われる」旨の確認メッセージが赤いダイアログで表示されます.(一瞬ギョッとしますね)
    確認の為,下のテキストボックスに復元先のパーティション名を入力して,「OK」をクリックします.

  14. 復元作業が始まりました.
    復元にはそれなりに時間がかかりますのでのんびり待ちましょう.
    ※16GBの領域を戻すのに25分程度かかりました.

  15. 復元作業が終了しました.
    「Operation compeleted successfully」と正常終了した旨のメッセージが確認できます.
    「Finish」をクリックして終了します.

  16. 前述#5で使用した「A43 File Management」を再び起動して,復元先のドライブにデータが正しく復元されていることを確認します.
    ※画像では,CドライブのバックアップがFドライブに復元されて同じ内容になっていることを確認しています.通常はCドライブの内容を確認することになります.

    対象ドライブを右クリックして「プロパティ」を表示して使用領域も確認しておきます.

  17. 復元作業が終わったら,シャットダウンします.
    [スタートメニュー]→[shutdown]をクリックして・・・

    [shut down this shell]を選択して「OK」をクリックします.

    初期メニューが表示されますので,右上の[Shut Down]→[Turn Off]をクリックすればシャットダウンされます.

以上で作業終了です.


[補足]
今回,このページを作成するにあたって,「CドライブのバックアップをFドライブに復元する」というテストを実施したのですが,復元後のFドライブのOSは無事起動させることができました.
復元したWindowsはほぼ問題なく動作していましたが,ドライブレターが変わったことに起因すると思われる障害(Windows標準のバックアップ機能が動作しない)が起きました.
本来,Cドライブへ復元する場合にはこのような障害は発生しないと思われます.その内,Cドライブへの復元についても念の為,テスト確認してみたいと思います.


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